クロマダラソテツシジミ
- かなざわ森沢山の会 広報GS
- 2024年9月30日
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写真は筆者の庭の紫蘇の花穂を忙しく飛び回り吸蜜しているクロマダラソテツシジミ。最もよく見かけるヤマトシジミと違って、色や斑紋の形が違うし、後ろ翅の端に小さな尾状突起がある。2020年11月12日の朝日新聞の記事(米山正寛)によると、クロマダラシジミは国内では1992年に沖縄で初めて報告され、本州・四国、九州で二十年ほど前から見られるようになった。幼虫はソテツの若葉を食べて育ち、成虫となって繁殖を繰り返す。南方系の蝶なのでまだ越冬するには至っていないとしている。移動は風まかせ。出現状況は年によって違うが、2020年は多かったそうだ。千葉県南部では花卉栽培とともに切り花の後背に添 えるソテツの産地である。2020年は11年ぶりに食害が報告された。梅雨の期間が長く、前線に向けて南からの風が吹き込み続けたのが影響したと推測された。南方系の本種が本州に現れるようになったのは地球温暖化の影響だと疑われることもあるが、風に乗って大陸方面から日本に飛来し越冬できずに死滅する昆虫は古より多く、この記事では温暖化の影響だとは言い難いとしている。ただ都市部での高温傾向が国内で世代交代を盛んにし、ついには国内で越冬する可能性を否定できないとしている。 右の個体は羽の縁が破れ始めている。鳥や肉食昆虫の攻撃をかろうじて交わしてきたか、風まかせの移動で揉まれたのか。

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