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夏の高刈り・抑草 (追補再掲載) 

 緑肥にしたり 泥跳ね防止のため作物の株元に敷いたり 飼料にしたり 布・糸・縄などの日用品や茅葺や壁など建材にしたりするために、草は地際で刈り取るのが普通だった。きれいに刈り取れば地際からまた新たな芽が勢いよく吹いてきて、持続的に草が手に入る。また害虫を寄せ付けないために、たとえば稲作では斑点米カメムシが好むイネ科の草を生やさないために、こまめに刈払機で地肌が透けて見えるほどの地際で刈ってきた。ここ最近まで緑地整備業者もそのやり方に習ってきた。ところが十数年ほど前から稲作地の周辺の草地や畦や土手などでは、ある程度高い位置で草を刈る方法が採られている。最近では果樹園でも高刈りが取り入れられてきている。太陽光発電所や公園でも草の抑制と草刈りの頻度を抑えるため、高刈りが行われているところが多くなってきた。

 理由は生長点の高さの差だ。広葉の草の生長点は比較的高い位置にあるが、イネ科の草の生長点は地際にある。地際で刈ると広葉の草は枯れ、イネ科の草ばかりが日光を独占しすぐに再生 してしまう。高刈りなら広葉の草は摘心されたのと同様で、生き残って脇芽を伸ばし太陽光を遮断してイネ科雑草を抑えてくれる。茎の比較的柔らかい高さで刈ることと、刈り刃がコンクリートに擦れたり石を弾いたりしないことで、手に伝わる振動も抑えられ、刃の摩耗も遅くなる。切れ味が持続すれば草の絡み付きも減る。頻度も一回の作業時間も減り、燃料も節約できる。また多種の植物が残るので、益虫やクモやカエルなど、農地では土着天敵の生活環境を温存することになる。果樹下では、養水分が草に奪われすぎないように、株元に害虫が寄らないようにしつつ、高刈りで天敵温存と夏期の高温防止にもなる。里山の生物多様性を守る活動をしている団体にとっても、高刈りは良いこと尽くめ。多種の植物を温存し、それを拠り所にして生きる微生物や昆虫や動物の種数も減らさない。実際に、保護する植物の丈よりも少し上で草刈りする団体もある。先月のヤマユリの記事を参照のこと。くるぶし~腰高など季節や目的に応じて刈る高さはいろいろだ。併せて 外来種・移入種・交雑種、背が高くなる種を選択的に刈り取ったり抜いたりしている団体も多い。宿根草のセイタカアワダチソウは、抜去することを全市民に向けて自治体が指導している例も少なくない。一律に除草するのではなく植物の特徴を利用した抑草が標準になっている。当会の活動域の法面ではヤマユリが少なからず見られる。作業前に位置を確認し、その周りはユリがもたれ掛かる支えとして、晩秋の種子散布完了まで膝~腰高ぐらいで草を残しておく。周囲には幼いヤマユリも隠れている。外来種との交雑種シンテッポウユリは切り花にするのがいい。

図版:北村製作所ウェブサイトより   写真・文:佐々木 岳

 
 
 

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