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STIHL 066のメンテナンス(2)2020年 5月 11日



 ごっついチェーンソーSTIHL 066のメンテナンス一応終了。使い始めてからたぶん20年くらいは経つのではないだろうか。定期的に使っていたわけではないので、エンジン等はあまり摩耗はないが、ネジを外さないとメンテナンスできない部位はこれまでほとんどメンテナンスされておらず、かなりひどかった。



① マフラーを外す前にガイドバーを外しておく。マフラー周りは熱くなるのでオイル等がネジ周りに浸み込んで焦げ付くとボルトが固着する。ボルトを緩めるのにかなりの力がいる。穴を舐めないようにゴミを掻きだしておいてから工具をしっかり挿入して回す。

② ボルトを長短2本ずつ外すとマフラーの前方部分が外れる。

③ マフラーをシリンダーと接続する2本のボルトも外す。ここもかなり固着している。チェーンソーに付属していた工具がもしかしたら折れるかもしれないと思ったくらい。バキッという音とともにボルトが緩んだ。

④ 黒く梨地塗装してあるわけではない。全部汚れ。

 

 



⑤ マフラーの外側は油と切削屑の焦げ付きが見られる。赤錆びも酷いものだった。

⑥ マフラー内部の煤はさほど厚く堆積しているわけではなかったが固着しており、フライパンの焦げ付きを落とすのと同じく、バーナーで固着した煤を完全燃焼させて灰にして落としやすくする。冷めるまで別の作業をする。バーナーの火口も焼いたマフラーも冷める前に他人が触れないように、作業は一人のときにやるのがいい。

⑦⑧ 完全燃焼され灰と化した固着汚れをワイヤブラシで磨いて、錆止めにkure556を吹き付けて拭き上げた状態。時間と資材があればマフラー外側はスプレー入りの焼付塗料で塗装してもいいと思う。

 

 



⑨ マフラーは一度も外したことがなかったようだ。マフラー周りに油と粉塵が蓄積。ひどいもんだった。マフラーの内部の点検は使用100時間ごとが目安だが、しばらく使うあてがない場合でもマフラーを外し、エアコンプレッサーで切削屑を吹き飛ばしておく。

⑩ 横着するとべとべとになり、例えるならカステラの敷き紙に張り付いたカラメル層のようにヘラでこそげないと取れない。さらにブラシで隅々から掻き出して、エアコンプレッサーとウエスで仕上げる。シリンダーからの排気孔も煤を竹ヘラやブラシで掻き落としておく。ウエスにパーツクリーナーを浸み込ませて拭いて落ちる汚れもあるが、長年放りっぱなしにしていると固着する。

⑪ マフラーの下にアルミの敷物がある。マフラーを外すのを面倒臭がって棒でゴミを掻き出そうとすると破れてぐちゃぐちゃになってしまう。両面テープで貼ってあるので油汚れを残しておくと粘着剤が緩んでべとべとになる。

⑫ きれいに焦げ付きと粘着剤を掻き落とし、真っ平らに延して脱脂し、接着剤で元の位置に貼った。

 

 



 ふだんの清掃では最低でもスプロケットカバーを外したところまでやる。だけれどもエアコンプレッサーのある場所ではさらに内部まで手を付けたほうがいい。

⑬ チェーンオイルの吐出口やテンション調整機構を覆っているプレートを外す。

⑭ クラッチドラム周りの樹脂製カバーを外す。

⑮ クラッチドラムとブレーキ周りは特に大変な状態で、溜めていた屑が固化し、カバーのプラスチックが融けて焦げていた。

⑯ ここも開けて掃除しないと性能の劣化につながる。スプロケット付きクラッチドラムは、軸の頭のE型スナップリング(止め輪)にマイナスドライバーを引っ掛け、紛失しないようにゆっくりずらすと外れる。クラッチドラム内にも周りにもゴミがいっぱい。熱を持って黒くなったのだろう。ニードルベアリングもグリースが切れていた。埃に油分が吸われてしまったのだろう。



⑰ 樹脂カバーは食器用洗剤で洗浄し、焦げ付いた部分はなるべくこそげ落とした。⑱ 特に裏側は焦げたり融けたりしている。このカバーは割と頻繁に外して掃除しないといけない。⑲ 油が熱を持ち樹脂を融かしている。焦げたチーズのようだ。

  


⑳ クラッチを外す時間はなく、エアコンプレッサーで丹念にゴミを吹き飛ばした。クラッチの裏側は油がたっぷりと滲みたゴミが詰まっていた。クラッチドラムはウエスで油汚れを丹念に拭き取る。常にきれいにしておきたい。 

㉑~㉓ クラッチドラムを戻す時に切り欠きと凸起を合わせる必要がある。ちゃんと合っていないとドラムが傾き、チェーンブレーキに擦れる。

㉔㉕ クラッチドラム周りのカバーを取り付け、金属プレートを付けたらこの部分の清掃は終わり。

 


㉖~㉘ チェーンの目立ての前・中・後。作業前は上刃が仰け反ったバックスロープだった。撮影角度がそれぞれちょっとずつずれているのでわかりにくいが、上刃の切削角度は適正になった。横刃と上刃が出合うカッティング・エッジも鋭くなっている。

㉙ 板にするための製材においては繊維に沿って切断するため目立て角度は30度ではなく10度でOKということになっている。目立てゲージ付きヤスリホルダーを使って、縦引き用に10度の目立て角度で手元を下げず水平にヤスリを動かす。

㉚上段:目立て前は10度以下のように見えた。しかも丸い。下段:ホルダーを使って目立てすることでだいぶ角度が修正されたようだ。

㉛ 昨日、緑の矢印で指し示した平面に偏摩耗によるマクレを発見し研磨・除去した。ガイドバーをよく見たら、赤や黄の矢印で示しているようにレールに段差が見られた。また左右のレールの高さも段違いになっており、平ヤスリでリセットしておいた。こういう調整を行うガイドバードレッサーと呼ばれる専用工具があると精密な研磨ができるのだが、それは今後の課題だ。ガイドバーを外して掃除するたびにガイドバーの上下を反転させて取り付けると、摩耗がどこか一部分に集中することがない。もちろんチェーンを弛ませ過ぎたり目立て不良だったりがあれば偏磨耗は避けられない。


 燃料フィルターも点検。フィルターをチューブから外し、エアコンプレッサーでエアをフィルター内に逆流させて粉塵を飛ばしておいた。

 スパークプラグを外して点検。ほとんど汚れはなかった。




 燃料と空気を混合してスロットルレバーの操作でエンジンの回転数を調節する部分、キャブレーターは手付かずだが、昨日今日のメンテナンスでエンジンの掛かりなど調子は良くなっている。すぐにやる必要はないと見た。動画はタンク内の燃料を抜いて、チューブやキャブレーター内に残った燃料を使い切る作業時エンジンの様子。始動は一発。燃料切れ間近なのでエンジンの回転は一定ではないが調子が悪いからではない。

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