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マダニと蚊の対策

6月12日
読了時間: 5分

 金沢区のほとんどの場所でシカやイノシシなどの大型野生動物が見られないので、マダニ対策を強く促されることはないが、どんぐり広場がかつて草深かった頃、草刈りの際にイノシシが目撃されたことがある。イノシシはマダニを宿しその生息域を拡大させる動物だ。近隣の逗子葉山横須賀三浦ではイノシシが深刻な問題となっており、2019年 風倒木の片付けのため、東逗子から二子山山系の遊歩道に入った折にも、研究用センサーカメラが多数仕掛けられているのを見て事の深刻さを感じた。釜利谷の森も逗子の沼間や池子を介して二子山山系と繋がっているので、横浜市金沢区・栄区あたりでも目撃されているそうだ。昨年、横浜市内での野生イノシシの目撃情報が横浜市から公式に発表された。令和7年7月 青葉区で2回、同4月 都筑区で1回あり、こちらは相模原・町田・八王子など西側からの流入と思われる。ちなみにかつて金沢動物園で人気だったニホンイノシシの「イノッチ」は、2012年に横浜市港北区の鶴見川河川敷で瓜坊のころに保護された。

 過去のアライグマの記事にも書いたように、マダニを多く宿すアライグマは、金沢区全域の緑地で見られるようになった。

 タヌキもマダニの宿主であり、釜利谷の森だけでなく長浜や富岡など旧海岸丘陵地の緑地まで分布し、人家の果実や家庭菜園の野菜、ペットの餌の残りを食べに来ている。ヒゼンダニが媒介する疥癬に感染した毛の抜けた個体もいる。またタヌキマダニというのもいて人を刺咬することもある。  イノシシなどによる農作物や人身の被害だけでなく、マダニの生息域の拡大もまた懸念される。ハイキングやトレイルランの愛好者がイノシシの多い横須賀・葉山・逗子・鎌倉から金沢区までマダニを連れてくることもありうる。

 マダニが媒介するウイルスにより発症するSFTSは九州など西日本の感染症だったが、着々と東進北上していくようだ。SFTSの致死率は10~30%。相模原市内で5月、市内在住の80代女性が 重症熱性血小板減少症候群(SFTS)と診断された。女性は緑区の自宅周辺で畑仕事をしており、その際にマダニに刺されたと市は推定する。推定感染地域が市内であるのは初めてだ。市疾病対策課によると、女性は4月29日に発熱・関節痛を発症。医療機関への受診後、血小板数値の著しい低下とマダニの刺し傷が確認されたことで感染が疑われ、5月9日に診断が確定した。早期治療のおかげで命に別状はなかった。昨夏には北海道札幌市が道内でマダニに咬まれてSFTSを発症した例を公表している。

 何はともあれマダニに取り付かれないように虫除けを使い、服や身体に取り付かれたとしても、刺咬される前に服や身体を点検し取り除くことだ。今年はヤブ蚊が5月初旬頃から多数発生している。既に虫除け対策を始めていることでしょう。もうそろそろマダニにも注意して作業するのが良いだろう。


1. 皮膚に使う「忌避剤」

ディート と イカリジンのスプレー式の製品が市販されている。蚊だけでなくマダニも意識するなら、このどちらかが最適。

2. 結界を張り守る「蚊よけ・蚊取り」

メトフルトリンなどのピレスロイド系は、「森林香 赤」や一般的な蚊取り線香、電池式ベープ、屋外用蚊よけなどはこの系統です。茶色い天然成分100%の除虫菊を含む蚊取り線香も開けた場所では殺虫まで至らないが忌避効果は高い。ただし、これらは有効成分が風に流され拡散しやすく、効果にムラが生じる。ガソリン機器を扱う際に線香の利用は細心の注意を払う必要がある。林内や草地で使う蚊取り線香の携帯容器は安物を避け、簡単にベルトから落下したり、分離して線香を落下させたりしない構造の物を選んで、火災の原因にならないようにも配慮したい。2020年のカンカン照りの乾燥した夏が印象深かった。数日前に刈ったセイタカアワダチソウの刈り取った部分だけでなくて、高刈りした地上部も踏んだらパリンパリンと折れたから、相当乾燥しているなと分かり、エンジン刈払機のエンジンブロックやマフラー付近の高熱(数百℃)が枯れ草や枯れ葉に触れないように注意したことを覚えている。また杉の枯れ葉が着火剤のように働くことはご存じの通り。そういう状況下では蚊取り線香の落下がないようにしなくてはならない。横浜で「夏に長く雨が降らなかった」年は、2016年以降では、次の年が挙げられる。

2018年:7~8月が少雨

2020年:8月だけ高温晴天日が続き、極端に少雨。土中まで乾燥

2023年:7月がかなり少雨、8月も平年未満

2025年:6~8月全体が極端に少雨。土中まで乾燥

今夏はどうなるか分からないが、スプレー式の忌避剤も利用し安全に作業するように考えたい。

⒊ 物理的防護

頭部を覆うメッシュ、蚊の口吻が通らないモスキートプルーフの衣服。空気がファンによって服内側に送り込まれることにより生地がふくれて体表面から離れ、袖や首筋など開口部から風が噴き出る空調服はかなり有効だ。頭部を覆うフード付きがおすすめ。首や顔周りに気流が生じ、蚊が寄りつけない。上着だけの空調服だと、下半身には虫除けスプレーなどを使う必要がある。空調パンツもある。

成分・系統

主な効果

蚊

マダニ

使い方

コメント

ディート / DEET

忌避

◯

◯

皮膚・衣類用スプレー

蚊にもマダニにも効く。濃度別の持続時間は、10%で3時間、最高濃度30%で5~8時間。

プラスチック・化繊を変質させることがある。

イカリジン 

 / ピカリジン

忌避

◯

◯

皮膚・衣類用スプレー

におい・べたつきが少なく使いやすい。子どもにも利用可能。DEETと並ぶ主要な人体用忌避成分。5%で6時間まで、15%で6~8時間持続。

メトフルトリン

忌避・殺虫・ノックダウン

◯

×

蚊取り線香、ファン式、屋外蚊よけ

蚊には非常に有効。製品では「蚊成虫の駆除」「屋外での蚊成虫の空間忌避」などの効能が示されています。マダニには不向き。

アレスリン、

プラレトリンなどの

ピレスロイド系

殺虫・ノックダウン

◯

×

蚊取り線香、電気蚊取り

蚊成虫の駆除向き。煙・揮散成分で蚊を弱らせたり寄せにくくしたりしますが、マダニ防除には不向き。

天然除虫菊成分

/ピレトリン 

殺虫・ノックダウン

◯

×

殺虫剤、蚊取り線香

蚊には効くが、マダニ対策には不向き。


 
 
 

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