top of page

横浜市の公園は令和7年4月から全面禁煙

横浜市は公園での喫煙を禁止
横浜市は公園での喫煙を禁止

当会へは、横浜市みどり環境局 環境活動事業課より「市民の森・ふれあいの樹林等・市有緑地」でも禁煙となる旨の知らせがあった。当会の活動場所では「釜利谷市民の森・金沢自然公園・市民の森に隣接する個人所有の山林」等が対象となる。


今回の条例の禁止行為の対象となるたばこには、以下のようなものがある。

・紙巻たばこ、葉巻たばこ、パイプたばこ

・加熱式たばこ【主な製品例】フィリップモリスのアイコス、JTのプルームテック、

ブリティッシュ・アメリカン・タバコ・ジャパンのグローほか


受動喫煙の防止

空き缶は水を入れて吸い殻入れとして使われることが多い。水に毒素が溶け出て処理が厄介だ。
空き缶は水を入れて吸い殻入れとして使われることが多い。水に毒素が溶け出て処理が厄介だ。

「子育てしたいまち 次世代を共に育むまち ヨコハマ」を目指し、子どもたちが安全に安心して遊べる環境を確保するとともに、多くの方が集い、憩う公園で、受動喫煙対策を進めるため、横浜市公園条例の一部を改正し、市立公園内において禁止する行為として、「喫煙をすること」が追加された。また幼児が吸い殻のたばこ葉を誤食したり、吸い殻消火のために使われるボトルの中のニコチン等浸出液を誤飲したりする事故が後を経たない。幼児は死に至る可能性もある。最近は甘い香りのするタバコもあり、余計に注意が必要だ。


吸い殻による環境害も大きな懸念

 世界中で毎年、約6兆個のタバコが消費され、吸い殻となっています。そのうちの75%に当たる4兆5,000億本の吸い殻がポイ捨てされる。欧州では「環境警告」を義務化しており、フランスなど一部の国では、タバコのパッケージに「環境への害」を明記しなくてはならない。例:「タバコの吸い殻はプラスチックごみです」「水を汚染し、野生動物を危険にさらします」 日本では全く動きがない。


フィルターはプラスチック汚染の原因

点火式たばこのセルロースアセテート・フィルター
点火式たばこのセルロースアセテート・フィルター

 ライターで火を点ける在来のたばこのセルロースアセテート・フィルターは土壌や河海などの自然界では分解されない。分解には自然界にはほとんど存在しない微生物や酵素が必要。土中や水中など酸素が少ない嫌気的環境では分解菌の活動が低下しさらに分解が遅くなる。天然セルロースとは全く異なる。さらには、陸上で踏みつけられて解れたり、雨水・河川・海洋で解れて細分しマイクロプラスチックとなれば回収ができない。


加熱式タバコの内部…吸い口/上端から2番目がポリ乳酸フィルター
加熱式タバコの内部…吸い口/上端から2番目がポリ乳酸フィルター

 過熱式タバコには、高温加熱により発生したエアロゾルを冷やすためにポリマーフィルム・フィルターが組み込まれている。耐熱性のあるプラスチックフィルムをジグザグに折りたたんで円筒形にした特殊なものだ。ギラギラと光り霜柱のように見える。主成分はポリ乳酸で、トウモロコシやサトウキビなどの植物由来の生分解性プラスチックであるが、分解するには工業的な堆肥化施設(高温・適度な湿度・特定の微生物がいる環境)が必要で、自然環境ではほとんど分解されない。しかも、セルロースアセテート・フィルターと組み合わされる。


有害物質の拡散

 たばこの吸い殻には、農薬、除草剤、殺虫剤などタバコを栽培するときに使用された化学物質や、ヒ素、ニコチン、多環芳香族炭化水素、クロム・カドミウム・鉛などの重金属などタバコ生産と製造に使用された化学物質の残留物が含まれている。水に流れて出て水を汚染する。1本の吸い殻で数百リットルの水が汚染されるという研究結果もある。吸い殻は、鳥や魚が誤食し、消化器官に詰まり汚染する危険性がある。微塵になったフィルター繊維は濾過摂食するカキやアサリなどの二枚貝にも取り込まれる。昆虫や微生物にも悪影響を及ぼし、生態系全体に悪影響を及ぼす。我々はその生態系の一部であり、食物連鎖の頂点にいる。


タバコや着火具の不始末は山火事の主な原因の一つ

林野火災の原因 上位5つ
林野火災の原因 上位5つ

 最近では岩手県大船渡市の他、愛媛県、岡山県、宮崎県の山火事が甚大な被害をもたらした。総務省消防庁によると、山林火災を含む林野火災は2023年全国で1299件も発生し、半数を超える679件が2月から4月に集中している。出火原因の最多は、刈り取った草木などを庭や畑で焼却する「たき火」で416件、全体の3割以上を占めた。野焼きなどの「火入れ」が247件、「放火/放火の疑い」が98件、「たばこ」が49件、「マッチ・ライター」が32件と続く。


マフラーの排気口を地面の枯れ草に押し当てることになってしまう
マフラーの排気口を地面の枯れ草に押し当てることになってしまう

 ちなみに、エンジン機器と燃料の近くでは禁煙。蚊取線香も身に付けない。また作業中に刈払機の先端を持ち上げて刈刃と飛散防止カバーの間に詰まった草を取り除くと、マフラの排気口が地面の方を向き、枯れ草などの可燃物を加熱し火災が発生する。チェンソー作業中にもマフラーの排気口周辺から可燃物(杉の葉、樹皮、枯れ草、枯れ葉など)を遠ざけること。エンジン停止後も冷えるまでは危険。燃料補給はエンジンを停止し冷やしてから、火気のない通気の良い所で行う。エンジンを始動させたり作業したりする場所と燃料を補給したり抜いたりする場所を3m以上離すこと。マフラーの熱や刈払機の刃が石や金属に当たった時の火花で、こぼした燃料が引火したりして火災の原因になります。たばこに限らず、森林内での火気には充分に注意しよう。


参考:横浜市、グリーピース、NHKニュース、MARUYAMA、HiKOKIなどのウェブサイト。写真・文:GS

(2025年会報4月号第二面に掲載)




 
 
 

最新記事

すべて表示
”厄介もの”が豊かな土づくりのための資材として活躍する

腐朽した木や竹、落ち葉を、竹ポーラス炭、糠、籾殻、藁などとともに畑に入れて土作りをする有機農法が注目されている。分解初期には微生物が土中の窒素を消費するため、追加の窒素補給(米ぬか、発酵堆肥など)が必要になる。また完全に埋没させると嫌気環境になり、分解が進みにくくなるため、...

 
 
 
3月の活動報告

2日(日)自然公園拠点集合 9:30~15:00 炭焼きは7:00〜15:00 晴れ 20名参加 ドラム缶窯・ペール缶窯での竹炭焼き。イベント準備(竹ポックリほか作成。檜丸太皮むき)椎茸植菌 (1,500コマ)・仮伏せ 9日(日)自然公園拠点集合...

 
 
 

Comments


©2018‐2025 by NPO法人 かなざわ森沢山の会. Proudly created with Wix.com

bottom of page