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越後上布・小千谷縮の素材:苧麻とは

 越後上布は、吸水・撥水・通気に優れ、シャリ感が強く、夏物として最高級の麻織物である。東大寺正倉院に宝物として古より収蔵されていることから、1200年以前より生産されていたと考えられる。麻は、亜麻/リネン・大麻/ヘンプなどがよく知られているが、もう一つの苧麻(ちょま)/ラミーの和名は、我々も良く知っている「からむし」である。原産地は東南アジアといわれ、イラク サ科の多年草である。日本では福井県の遺跡から縄文初期のものが発見されている。糸の原料とするには山野に生えているものではなく、3年かけて3mほどに栽培されたものを用いる。


 苧麻の茎の外皮の下にある柔らかい内皮を細く裂いて1本1本つなぎ合わせて糸にする。薄くて上質の布(上布)を織り上げるには細く裂いた上質の糸が必要だが、糸が細くなればなるほど全ての工程(撚糸・手括り・染色・糊付・整経・製織など)が難しくなる。江戸時代では20万から30万反の生産が記録されているが、現在では80反程度の生産となってしまった。一反は幅40cm前後、長さ12m前後。現在では原料である苧麻の生産量は極めて少なく、後継問題もあり、将来が憂慮されている。現在、ユネスコ無形文化遺産・国重要無形文化財となっている。 

 着物を作るには栽培した素材を厳選する必要があるが、竹や笹を束ねる、刈った草を束ねるなど、紐や縄の代わりに現場でからむしの外皮を割き取って使うこともできる。



文:佐々木 岳 

写真:Wikipedia「カラムシ」の項目より 

参考:越後上布・小千谷縮布技術保存協会ウェブサイト / トランヴェール2024年8月号(JR東日本)

 
 
 

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