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執筆者の写真かなざわ森沢山の会 広報GS

イチモンジセセリ

 クロマダラソテツシジミと一緒に紫蘇の花穂を忙しく飛び回っていたのは、真一文字に白い斑紋が翅に並ぶイチモンジセセリだ。この辺りでは8月から11月ぐらいまでよく見られるそうですが、この蝶の幼虫はイネ科の草々を食す。暖かくなってくると世代交代をしながら北上し秋には南下する。夏場は北海道まで海を越える世代があるそうだ。

 かつて集団で海上を渡る様子を捉えたTV番組を見た覚えがあり、渡りをするということはずっと記憶にあった。NHKアーカイブスで検索してみると、タモリがMCを務めた番組 ウォッチングで「海を渡る小さなジェット機蝶イチモンジセセリ」 が1985年10月に放送されていた。副題が『驚異!時速60キロ謎の大飛行?』解説は石井 実。石井氏は同時期に刊行された書籍の共著者だった。中筋房夫・石井実/著 1988年「蝶、海へ還る―イチモンジセセリ渡りの謎」冬樹社。

 渡りをする蝶として有名なアサギマダラは羽ばたきを止めてハングライダーのように優雅に滑空するのが上手いが、イチモンジセセリは体の太さに比べて小さめ翅を高速に動かして高速推進する。耳元を掠められるとブーンと低い羽音が聞こえるので、蜂かと思ってしまう。ずんぐりしていて目まぐるしく動き愛くるしいが、食草のイネ科の植物には稲が含まれており、稲作では防除の対象になっている。稲作地帯以外では愛でておこう。



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